2016年8月22日月曜日

アクアヤスの作り方

こんにちは、もしくはこんばんわ
ブログでははじめましてですね。AQUA-LIFE 21代目会長のしゅーじんです。

もともとこのブログの再始動を言い出した張本人ですが、一度も登場しないまま現役を終えるのはなんだかなと思い今回ヤスの作り方の説明を書こうと思いました。遠征報告は掲示板でやってますし、面白い文章も書けないですからね。


ちなみに今まで作ったアクアヤスは他人の分も含めて6,7本です。

アクアヤスってなんぞね?って人がいれば、HP内に説明があるので、そちらを見ていただければと思います。
HPはこちら


まずはヤス先。
昨年末にいつも買っていたヤス先が職人さんの引退で在庫限りになってしまったので今後のことも考えて新しいものを買ってみました。お値段は今まで買っていたものの2倍以上です。その分だけ耐久性があるはず…?


























これが比較画像。左が今まで買っていたヤス先。右が今回買ったヤス先。
まず雰囲気がカッコイイ。細かい点でいえばカエシの大きさが違います。
実際に持ってみるとわかるのですがつくりがしっかりしています。











次にパイプ。今回は16ミリ径のステンレスパイプを使います。
ここで重要なのがオールステンレスのパイプを使うこと。巻きパイプは使わないほうがいいです。理由は後程…
今はネットで長さだけじゃなくて肉厚の異なるステンパイプが買えるので、同じ16ミリ径でも重さの違うヤスが作れて面白いと思います。


























末端のアイボルトとヤス先を固定するのがM8高ナット。今回はヤス先に50ミリを、末端に30ミリのものを使いました。先が重いほうがよくと飛ぶ気がして僕は50ミリを使うことが多いです。




















M8高ナットは16ミリステンレスパイプに微妙に入らないので削ります。
小白川部室には固定して削れる万力があります。(しゅーじん私物)
今年の春に帰省した際に買ったのですが、なんで今まで誰も買わなかったの?ってくらい作業効率よくなりました。助言してくれた父に感謝感謝です。




















個人的にはナットを削るところが一番重要なポイントです。
全部削ってしまうとパイプに入り込んで出てこなくなったりめんどくさいことになるので、僕は半分しか削りません。写真では見ずらいかもしれませんが手前側のカドだけ落として奥の角は残ったままにしてあります。

接着剤で固定する際にパイプから飛び出る部分は金づちでたたいて無理やり押し込みます。そうすることでパイプとナットの固定がより強くなると僕は思ってます。
ナットを削るのがめんどくさいとかそういうわけではないんですよ(^ω^)




















続いてヤス先の柄も削ります。





















最初はこんな感じで隙間がありますが、




















ヤス先の柄を削って隙間をなくします。
写真だと確認に30ミリの高ナット使ってますが実際に組み立てるときは50ミリのほうを使用しています。
ちなみにヤスを作ってる小白川部室はこんな感じです。汚いです。
壁には歴代の先輩たちの漁獲写真が飾ってあります。





















接着剤にはエポキシ系のアラルダイト(急速硬化型)を使います。アラルダイトは硬化も早いし使いやすい接着剤です。
個人的にはエポキシ系(丈夫)で防水性能(海で使うから)があればどんな接着剤でもいいと思います。でもここ数年はみんなアラルダイトを使ってます。





















こちらはヤス先側、主剤と硬化剤を混ぜたアラルダイトを塗りたくった高ナットを金づちで押し込め
ます。
これ一人で作業してたので押し込むところの写真は忘れました。ごめんなさい。





















でそのあとおなじくアラルダイトを塗りたくったヤス先を入れます。
HPに書いてあるやり方だとヤス先とナットを固定してパイプに入れる方法になってますが僕はナットをたたいて無理やり押し込めるのでナットとパイプを固定してからヤス先を固定する方法になります。

ナットを少し削って叩き込む方法のほうがヤス先をまっすぐ固定できると僕は思ってます。





















末端金具。ゴムを固定するひもを取り付ける部分です。今回は大きなアイボルト使いましたがただの六角ボルトを使う人もいます。ひもが固定できればなんでもいい気がします。
あとわっかのとこが小さいのはアイボルトじゃなくてロットボルトっていうんですね。

まずアイボルトのネジの部分にアラルダイトを塗りたくって高ナットと固定します。ここをしっかりしないと使ってる間にネジが緩んで中に水が入ってヤスがダメになります。
で高ナットにアラルダイト塗って金づちたたいてで無理やりパイプに入れます。
ヤス先側を固定した際に写真撮りながら作業してたらアラルダイトが垂れて大変なことになったので末端側を固定するときは部室にあったガムテープでマスキングしました。

後で載せますが最近のヤスはアラルダイト盛り過ぎて汚いです。あんまり盛るとポロっと取れて中に水が入ってしまうのでアラルダイトはきれいに塗ったほうがいいと思います。

でも今現役で一番魚突ける人のヤスはアラルダイト盛りまくりなヤスなのでアラルダイトの塗り方の丁寧さはあんまり漁獲には関係ないかもしれないです…


これでヤスの組み立ては終了。ここにグリップとひもを付けて完成です。





















今回グリップに使うのはこの階段のすべり止めとして売ってるスベラーズ。
1m巻きで700円くらいです。5m巻きもあります。

前に別メーカーの2.5mで1000円の安いやつを買って使ってたのですが、それは使ってるうちにやすりのツブツブが全部はがれて全くすべり止めの機能をしてくれなくなりました。


あとはテニスや野球のグリップテープを使う人もいます。
経験から言えばテニスとバドミントンのやつははがれやすいです。使ってるうちにヨレてきます。野球の奴が一番頑丈ですね。







やすりグリップ貼って完成!!
製作時間は1時間くらいです。

ちなみに今回作ったヤスの重さは741g、キッチン秤なので正確ではないかもしれません。13ミリ仕様は574gでした。
他のメンバーのヤスは700〜730gくらいでした。この差はアラルダイトの量の違いでしょうか?

これが九州遠征参加者のヤス(一部)。
右の二つが僕のヤス。その内、左側のは13ミリステンパイプ仕様。水中での取り回しだけはいいです。





















グリップも様々です。
最近はやすりグリップを使う人が多いです。





















末端金具はアイボルトがほとんど。
ひもは靴紐だったり適当なロープの切れ端だったりで適当です。





















ここから失敗集

ヤス作りの失敗例にはアラルダイトの配合量間違えていつまでたっても硬化しなかったり、ナットとパイプが完全に固定されてなくて岩を突いたタイミングでヤス先が陥没したりとか色々あります…

こちらはメンバーMのヤス。
持ち上げたときに重かったので振ってみたらアイボルトのネジが外れて中から汚水が出てきました。部室汚しちゃった…ごめんなさい。

先日ジャックナイフさんのサイトで銛の浮力に話が出てましたがアクアヤスも中に水はいるとかなり重くなって飛距離がでなくなります。漁獲に大きな影響が出るんじゃないかな。僕は浸水したことないのでよくは知りません。





















これは別の水没したアクアヤスを解体したもの。だいぶさびてるのが分かります。
あんまりひどいとさびでもろくなってヤス先もげます。





















最後にコレ。P君が壊したJ君のヤス。異常な壊れ方だなと思ってよく見てみるとパイプがヘン。





















作った本人に聞いてみればシャフトに巻きパイプを使っているそうな。





















調べてみれば巻きパイプは鋼や鉄のパイプに0.数ミリのステンレスが表面に巻いてあるだけ、つまりオールステンのパイプと違って重くてもろい、あとさびやすいみたいですね。利点はオールステンよりも安いことですかね。



























アクアヤスはアクアライフでもう20年くらい作り続けられているものです。
形は変わりませんがつくり方は人それぞれです。

今回書いたブログが後輩たちの参考にしてもらえれば何よりです。
僕のやり方も完璧でないかもしれないので各々ベストな作り方を探求してください。



長々と失礼しました。26日には島根・九州遠征が始まります。この遠征のために入念に準備を重ねてきました。後悔のないように遠征と向き合っていきたいです。